西谷の清水

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NO29

佐川町

上町にある植物学者牧野富太郎生誕地記念碑の角を南に折れると、道に添って渓流があり、この辺りが西谷地区である。近世、佐川一万石を与えられた深尾家の時代には、この谷地に下級武士と足軽たちが居住しており、当時使われた岡崎地区への近道「岡崎越え」が今に残っている。生涯を娶らず、「セルボーンの博物誌」の翻訳にその半生を費やした英文学者西谷退三の晩年の家もこの谷にあり、その向かいに苔蒸した水飲み場が備えられ、ひしゃくが添えられている。この清水は古くから書道、茶道用の水として愛され、今でも愛飲されている。傍らには芭蕉の句碑があり、「むすぶより早や歯にひびく清水哉」と記されている。安政元年(1854年)俳人橋本玄黙が墨入したものである。また、俳人岩神楽只仙もこの清水を詠って「挨拶は呑んでの後よ名の清水」の名吟を残している。また、この西谷地区の家並み最上階にある伊藤家は昔の代官屋敷で、珍しい石垣による高い塀に囲まれた古風な家が残っている。

西谷の清水

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