久万秋滝の水
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NO36
中土佐町
村役場前から県道を北に1.6キロ進むと、道路脇に給水施設が作られ清水が滝のように湧き出している。この清水は、久万秋滝山の樹木から滴る水が寄り合って硬砂岩の割れ目から湧き出したもので、洪水にも濁ることなく、渇水期にも絶えることなく湧き続けている。出水口の近くを、久万秋の水田を満たす水路が通じているが、この水路を造ったのは大野見村の野中兼山とも称すべき人物で、数多くの水路を開設した光願寺住職、蔭石和尚である。蔭石和尚の手がけた工事の中でも、この久万秋滝付近の岩質は特別硬く、最大の難工事であった。鍬もノミも寄せつけず、思案の末ズイキに灯油を浸して火をつけ、岩を焼いてやっとノミで岩を砕いたと伝えられている。このように、硬い岩石の割れ目をくぐり抜け、天然濾過された清水は古くからおいしい水として知られ、旅人の喉を潤し、地域住民にも親しまれてきた。村内外から多くの人が毎日のようにこの水を汲みにきている。土佐くろしお鉄道が「四万十川紀行」として売り出しているのも、この清水である。