南海地震記録碑
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高知県須崎市野見
時は、昭和21年12月21日午前4時14分、夜明けの静寂を破った地震は、家屋を崩壊させんばかりに、屋外に出た人も立っていることさえ困難であった。その間約18分、同4時32分に地震は終わった。避難した者は再び地震を恐れて、ただ自己の行動にも迷い、津波の来る事を確言する者もなく、同4時47分、潮は干潮の差が著しく、引き離し、終わりには怒涛のごとく侵入し、家屋の大半は水中に没し、引き潮とともに軽量な家屋は大海に流失した。
来潮の回数は9回、3度目の浸水の潮が最高で4メートル30センチに達し、崩壊地盤の沈下は約1メートル、実におびただしい惨害であった。
地震および津波の時の注意は、南海における甚大な地震は津浪を伴うことを忘れないこと。地震直後の火の始末、子供および老人は速やかに安全地帯に避難さすこと。衣類およびその他必要な物のみに限って敏速に持ち出すこと。家畜などの動物は速やかに避難さすこと。以上、当時の状況ならびに注意をこの位置に記録として後世に記す。昭和26年6月5日
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