勇敢なる水兵

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帝國軍事研究會

勇敢なる水兵

煙も見えず雲もなく  風も起らず波立たず
鏡の如き黄海は   曇り初めたり時の間に
空に閃く電か     波にきらめく雷か
煙は空を立籠めて  天津日影は色Kし
戰ひ今やたけなはに 勉め盡せる益荒夫の
尊き血もて甲板は  から紅ゐに飾れつ
玉の砕の飛び散りて  幾多の傷を身に負へど
其玉の緒を勇氣もて  つなぎ止たる水夫あり
副艦長の過ぎ行を  いたむ眼に認けり
苦しき聲を張り上て 彼れは叫びぬ副長よ
呼び止められし副長は 彼らの傍にたたずめり
聲をしぼりて彼は問ふ  未だ沈まずや定遠は
副長の眼はうるほへり  されども聲は勇ましく
心易かれ定遠は    戰ひ難くなしはてり
聞にし彼は嬉しげに  最後の笑をもらしつつ
いかで仇を打ちてよと  言ふ程もなく呼氣絶り
皇國につくす御戰の   向ふ處に敵はなく
旭の御旗うらうらと   東の海を照すなり
まだ沈まずや定遠は  其言の葉は短くも
皇國を守る國民の  心に永くしるされん

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