得度山 切幡寺
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四国霊場第十番札所(古義眞言宗)
得度山 切幡寺(とくどざん きりはたじ)灌頂院
御本尊:南面千手観世音菩薩(弘法大師作傅)
北面女人即身成佛(秘佛にして絶対無開扉)
御詠歌:欲心を ただ一筋に 切幡寺 後の世までの 障りとぞなる
所在地:徳島県阿波市市場町切幡字観音129
當山は弘仁六年弘法大師の御開基に係る四國第十番の霊場にして、女人即身成佛を標はしたる活佛の浄土なり。盖し其の濫觴を尋ねるに、人皇五十二代嵯峨天皇の御宇、弘仁年間、大師御巡錫の砌り當山麓に極めて信心深き一人の信女ありて、毎日機を織りて生計を營みつつありしが偶、大師彼の信女の門に停みて、報謝の施を乞ひしかば此時餘念なく機を織りし信女は心靈の睡りを覺ます錫丈の響きを聞くや、直に機より下りて恭しく施物をなせり。大師斯の如くする事一七日間に及び、結願に至って又常の如く托鉢をなし若干の布の施しを乞ひ給ひしが、彼の信女忽ち應諾して今方さに織りなせる布を眞中より切裁ちて何の惜氣もなく恭く大師に供養し奉りぬ。大師其の殊勝なる志に感じ給ひ信女に願を尋ね給ふや、信女答へて曰く「願はくはわれ千手観世音菩薩の御尊像を彫刻し奉り末世の悪行煩悩の深き衆生を濟ひ猶數限りなき衆生の願ひに隋隨ふて大悲願力の利益を施こし、菩薩深重の誓願を果さんと」大師この言葉を聞こしめして大に信女の非凡なる志を感歎し直に一夜の間に本堂を建立し一刀三禮して千手観世音菩薩を彫刻し奉り、又信女の願を容れて出家得度せしめ、秘密灌頂を授け給ふや、不思議にも肉身のままに千手観音の御容姿と變じ速疾頓證の御佛となり給ふ。之れに依り山號を得度山、院號を、灌頂院、寺號を切幡寺とぞ呼ぶに至れりと云ふ。古は堂塔伽藍二十四坊ありて宏壯なる靈刹なりしも、天正の兵火に灰燼し、又明治四十二年三月二十五日火を失し、大塔を除く皆鳥有に歸す、其の後今日の如く舊觀を整へるに至りたるは大平智城師の努力に依るものなり。
切幡寺本堂
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切幡寺大師堂
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切幡寺山門
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切幡寺大塔
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