巨鼈山 雲邊寺
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四国霊場第六十六番札所
巨鼈山 雲邊寺(きょべつさん うんぺんじ)千手院
御本尊:千手観世音菩薩(弘法大師作)國賓
脇士:毘沙門天王 不動明王
御詠歌:はるばると 雲の邊の 寺に来て 月日を今は 麓にぞ見る
所在地:徳島県三好市池田町白地ノロウチ763-2
縁起:當山は愛媛縣宇摩郡金田村、通称三角寺山の中腹に在り、後に延々たる山脈を廻らし山紫にして水明らか、前靣を俯瞰すれば、穏波漂渺たる瀬戸内海の風光一眸裡に映じ、宇摩郡一圓の平坦部は脚下に展開す。四時の眺望寔も秀麗開豁なり、山境にして嶮ならず邑里にして遥かに俗郷を遮す。老杉古木鬱蒼として參差し、幽遂閑雅實に理想の淨寂境たり。抑々當山は四國第六拾五番の霊場にして、人皇第四十五代聖武天皇の御宇、行基菩薩の開創し給ふ所なり。弘仁六年高祖大師四國御巡錫の砌り、當山に登られ、今安置し奉る六尺二寸の御本尊十一面観世音菩薩を御彫刻更に鎭護國家、除災興楽、萬民豊楽の爲に、一尺八寸の不動尊を刻み、三角の護摩壇を築造して、二十一日の間降伏護摩の秘法を修せらる。境内に遺る三角の池はその芳躅なり。嵯峨帝深く當寺本尊に歸依せられ、曾て當山に御行幸あり、寺領三百町を御下賜りなり勅して七堂伽藍を造営せしめ給へり。その結構輪奐の美寔に密教美術の精粹を盡せしものなりしと、不幸にして天正年間祝融の災に罹り、此等の堂塔悉く鳥有に歸せしが御本尊並に不動尊のみは光明赫々として火難を免れ給へり。現今の堂宇は嘉永二年の再建なり。本尊十一面観世音菩薩は、攝化利生の方便最も深く、霊験日々に新たなり、殊に世人は安産守護の観世音として、その利益を被る者數を知らずされば遠近の老若男女は一に當山本尊を心霊界の醫治尊として、信心崇拝する者陸續として四時絶えず。古来當山を四國霊場中の關所と稱して十万諸人の尊信措からざるは偏に本尊の霊験の如からしむる處なり。
雲辺寺本堂
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雲辺寺大師堂
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雲辺寺山門
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