駐退複座機の構造③

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水壓駐退機と云ふのは液體を使用して砲身の後坐「ヱネルギー」を熱の「エネルギー」に變化せしむる装置である。その構造の一例を示すと十圖の如きものでめる。十圖は水壓駐退機と空氣式復坐機(復坐機の事は後に述ベる)の要領圖である。彈丸を發射すると砲身は矢の方向に後坐する。此の時駐退管は砲身と共に後坐し、活塞桿は砲架に固 定せられてあって後坐し得ないから、a室內にある液體は活塞にょって壓縮せられ、唯一の逃ロなるCからd孔を經て、壓力を受けないj室の方に向って流出する。此時bなる活塞の面積に比して、dなる孔は非常に小さいから、a室の壓カは高くなり、後坐の「ヱネルギー」は茲で壓力に變ぜられる。従ってdなる孔(之を後坐漏孔といふ)を流出する液の速度は、非常に大となり、孔の周邊を摩擦し、又速い速度で孔を流出した液は、j室の側壁や室内の液体に衝突する等の仕事をなして悉く熱の「エネルギー」に変化し、液体中に消散してしまふのである。後坐漏dはdは活塞の內孔と制節桿えとにょって成形せられて居る。然して節制桿は駐退管と同時に後坐するを以て、節制桿の外經を適當に變化せしむる時は、漏孔の大さを加減する事となり、一定の强さの抵抗を持って漸次に後坐「エネルギー」を消散して了ふことが可能である。斯如くして或る一定長後坐したる後、漏孔が全く零となるやうにすれば、後坐は止むのである。

駐退複座機の構造③

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