野砲の最大射程

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野砲の口徑は通常7センチ乃至8.5センチであるが、操用の便利な點で7.5センチを採用してゐるものが多い。最大射程即ち射撃し得る最大距離は、歐洲戦争前までは8000メートル(二里)乃至9000メートル位であつて、この程度で野砲としての任務は立派に達成できたのであるが、歐洲戦争以來戦闘の方式が變り、以前は一線で戦闘するのを立前としたのが、今日では最近上海の事變で支那軍がやつたやうに二線三線と陣地を幾重にも重疊して占領し、廣い地帶に亙って戦闘するやうになつてからは、陣地の奥深くまで射撃する必要が生じてきたので、最大射程が従来の通りでは不十分であるとせられ、今日では12000メートル(三里)から14000メートル(三里半)位まで達するやうになつた。従って初速もまた毎秒500メートル位であつたのが、今日では600-700メートルに增加し、また射角附與の照準装置も、最大射程に應ずる射角即ち平射の最大射角であるところの、45度附近までを迅速に照準し得る構造をとるやうになつた。方向の照準機は、戦場に出現する目標に對し迅速に射向を附與するため輕易に操作し得るやうに構造されてゐる。しかして砲架を旋回することなく照準し得る限界は、單一箭材の火砲では六度乃至精々十度、開脚式の火砲では40度乃至五十度である。今日では火力の集中といふことが稱用されるため、方向射界がかなり大であることを必要とする。

野砲の最大射程

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