青龍寺

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高知県:NO36

(三十六番札所)独鈷山青龍寺 真言宗豊山派 本尊:波切不動明王
高知県土佐市宇佐町龍旧寺山601 駐車場20台

もと来た八丁坂を再び下る。せまい高岡町の商店街を抜けて海へと向かう。昔は渡船でしか行けなかった場所に大きな「宇佐大橋」がかかり、風の強い日でも遍路をつづけられるようになった。青龍寺は入江を控えた山の南側に建っている。広い湿地帯の奥まったところに、いらかが見える。夏は四十度を超すほど高温になり、お遍路さん泣かせの長い参道である。さらに長い石段を登ると本堂と大師堂、薬師堂がひっそりとビロウの木立にかこまれて一列にならんで建っている。本尊不動明王が安置されている本堂には、他に重文の愛染明王も祀られている。この寺にも薬師堂がある。この一帯には、伊勢および熊野の荘園があって、伊勢神道と熊野信仰が栄えたところである。不動明王は「波切不動」とも呼ばれ、不動を本尊にしているのは第四十五番岩屋寺と第五十四番延命寺の三寺だけである。もっとも第三十七番岩本寺の本尊五仏の中には不動明王が入っている。不動明王は大日如来の化身とされ、誓願により如来の使者となって、悪を断じ善をすすめる明王である。大師の「秘蔵記」には「黒色。極忿怒なり。左の手には索を持し、右の手には宝剣を持し。盤石の上に座す。ならびに大火炎の中に在り、大劫の火の如し」とある。静寂な山の本堂をはなれて、左手の坂道を本坊の方へと下ると、百メートルほどで「恵果の墓所」が木立の中に千羽鶴にかこまれてひっそりとたたずんでいる。恵果は弘法大師の中国における密教の師である。大師が中国長安から帰国して、恩師の徳を慕い、恵果和尚のおられた長安青龍寺にちなんで当寺を建立したというのが寺に伝わる縁起であり、納経所まで下ってくると、その裏にも、恵果堂が建っている。参道を少し海の方へもどったところに「五社へ十三里」という石標が立っている。気の遠くなるほど次の札所への道は遠い。「横浪黒潮ライン」と呼ばれる観光道を須崎方面へと足を向ける。ビロウの樹林が果てしなくつづき、左手は雄大な太平洋が広がる遍路行である。

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