軽渡河器材

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操舟機と鐵舟

軍橋に依り或いは漕渡による渡河には、必ず工兵を煩はさねばならないが、挺身騎兵、歩兵斥候等が独力で携行渡河し、また歩兵の攻撃前進に方り戦場に散在する小流池沼等の通過を容易ならしめるためには極めて輕量にして、簡単迅速に扱ひ得る各種の輕易な渡河材料が必要である。これには折畳舟、浮嚢舟、ズック舟、アーベル嚢等がある。折畳舟はベニヤ板製で、その折り目は厚麻布にゴム質の類を塗布した物料で接合され、二トン積のものは折畳んだ時長さ五メートル、幅一・四〇メートル重さ約百三十キロ・グラムである。發動機付きのものは、これとほぼ同じ大きさで四人乗りである。輕戦車等の渡河に使用するものは更に大型で、約四トンの浮力を有し、門橋に結構せられ、運搬は牽引自動でする。浮嚢舟はゴム引綿布製の気嚢で、使用に際し空気を充填するもので、大小數種あつて、搭載量は武装歩兵二名乃至十數名で、小型のものは斥候自ら携行することができる。時として歩兵の一列側面縦隊通過に適する徒橋々脚として利用せられる。また大型のもので橋を結構すれば、人員は勿論砲車等を渡河せしむることができる。ズック舟は曲木で作った舟型の骨組に防水ズックを張ったもので分解して運搬することができる。アーベル嚢は耐水性麻布製の嚢で、重さ約六キログラム、嚢中に麦藁、カボツク、枯草等を塡充して藁布團式の筏としたもので、主として徒橋々脚に使用せられる。

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