妙国寺の梵鐘
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高知市塩屋崎町
鋳銅製で高さ100cm、口径57.4cmで胴の張りは少ない。乳は4段4列、撞座は八葉蓮弁で経7cmである。この梵鐘(寺の釣鐘)には胴部に字数の多い刻字の銘文がある。いわば追刻(はじめの銘文に付け加えて、後から銘文を刻すること)に追刻を重ねている。銘文の内容を見ると、この鐘は4回にわたって、その所有する寺を変えている。始めに但馬(今の兵庫県の一部)の東楽寺の鐘として鎌倉後期の正安元年(1299)に鋳造された。次に室町時代の延徳2年(1490)に丹後(京都府の一部)の長寿寺へ、さらに京都の頂妙寺に移され(この場合紀年銘に欠く)、そして江戸前期の延宝6年(1678)に高知の妙国寺に移されたことを刻している。
(文化財書引用)
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