安芸武家屋敷（野村家）

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安芸市

ここ野村家は、与力、騎馬として五藤家に仕えた上級の家臣であり、地元の財政、家臣の人事等の惣役（元締）を行っていたといわれている。家屋は幕末の建造らしく、終戦後炊事場と縁側を一部改造しているが、間取り等は当時の武家様式がみられる。門は塀の内にも「塀重門」（へいじゅうもん）という門があり、敵の襲撃を防ぐためや、美観などを含め２重構造となっている。さらに「玄関」は、立ち回りが困難になるよう３帖と狭く、「次の間」は長４帖となっていて長押（なげし）には槍をかけている。「玄関右の居間」は３尺の武者隠しといわれる壁があり、家臣が身を隠し来訪者を確かめる構造となっている。「表の間」は前に庭を配して客間として使われていた。居間１は、主の寝所として、居間２は、家族の寝所として使われていたようである。敷地は約３００坪あり、この地区のほとんどの屋敷が菜園をもっているが、ここも同様であった。さらに、現在はなくなっているが、織物を織る機屋、味噌、醤油を造っていた味噌部屋なども古い記録ではみたれる。

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