東京市の中心襲撃には

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毒瓦斯の用法

毒瓦斯に就いては、以上で大體述べた。今一層具體的に考察するために一例を擧げよう。東京市の重要部分を假りに二里四方と見る時は、その面積は64,000,000平方メートルとなる。今毒瓦斯をこの全面積に撒いて二階にゐる人にまでも効力を及ばすため、平均地上10メートルの高さまで、所要の濃度を保たしめんとすれば、その空気の容積は、640,000,000立方メートルとなり、ホスゲンを以て一分間で致死せしめんとするには、その濃度は空気一立方メートルの中に0.3瓦の割合を要するから、全容積に對しては192噸のホスゲンを撒けばよいこととなる。今若し一分間でなく三十分間で致死させてよいとすれば、その濃度は遥かにうすくて、空気一立方メートル中に0.01瓦の濃度でよいのである。即ち約6噸のホスゲンまたはイペリットを撒布すれば、全東京市の市民は三十分にして殲滅せられることとなるのである。6噸の毒瓦斯といへば甚だ多いやうに考へられるが、1噸爆弾を搭載し得る爆撃機が十二臺もあれば、これだけの投下瓦斯弾を運搬投下し得るのである。

東京市の中心襲撃には

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