煙幕の用途と用法

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煙幕

抑々煙幕の主要なる用途は次の通りである。

1 味方を遮蔽するため

2 毒瓦斯の一種として用ふ

3 信号特に晝間における規約信号

右の用途を充たすため、或は發煙弾として各種火砲より發射し、或は發煙器、發煙筒によつて煙を發散させ、または航空機に發煙器を装備して煙幕を展張する等の方法を用ひる。發煙劑の主なるものは燐、クロルズルホン酸、無水硫酸、四鹽化珪素、四鹽化チタニウム、四鹽化錫等である。最近獨逸では目下秘密裏に濛氣瓦斯を考案して、専ら防護用兵器として使用しようとしてゐるやうである。この瓦斯は普通の毒瓦斯と同様液状をなし、砲弾等に塡實して使用するもので、砲弾の炸裂に方つて、液状瓦斯は氣化して濃密なる濛氣を發生するもので、敵が飛行機で空中襲撃をするのを防ぐため、要塞、停車場、主要都市等の上空に對して、全く隠蔽し得るものである。以上述べた化学兵器の研究、整備は、列國共秘密裡に行はれてをり、その後の状況は不明であるが、一般化学工業の日一日と新味を見せてゐるその趨勢を思ふ時は、大戦後十餘年經過せる今日、せる今日、蓋を開けて見ると實に驚く可き進歩發達をなしてゐるものと考へられる。昭和二年一月十七日紐育タイムスの報ずるところでは、獨逸で恐るべき二種類の毒瓦斯が發見せられてゐるらしい。その一つは従来世に知られてゐるあらゆる毒瓦斯を、全然無効ならしめるものであり、他の一つは全軍を四時間、昏睡狀體に陥らせる効力があるとのことである。毒瓦斯研究に従事してゐる世界列強の学者は、無味無臭にして、一滴よく全軍を昏倒させるに足るところの、猛烈なる毒物を發見しようと努めてゐるらしい。将来如何なる瓦斯が現れるかは全く餘斷を許さない今日、十二分の覺悟を以てこれに對する研究準備をなし、如何なる奇襲に對しても、祖国の安泰を期せねばならぬ。

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