原始美術(時代の大勢)

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原始美術とは有史以前即ち我が祖先なる大和民族並にその他の民族が此の土佐に生活せし石器時代及び銅器時代より神武天皇御即位時代を経て欽明天皇の十三年佛教の朝鮮より渡来せしまでの間を原始美術時代として置く。神武天皇以前は闕史時代であって草味の世なりし為先住せし民族の種類も文化も范として、窺知することを得ざるのであるが、然も土佐の各地より堀出さるる塚穴、貝塚、古墳等を精細に探求すれば、各時代を追ふて古拙なる原始時代の美術工芸の散在するを見るのである。而して此の時代の美術には純粋美術なく催に工芸美術を有し何れも単純古拙にして変化に乏しく美術として価値甚だ少きが如きも、然も美術の萌芽発生の時代にして、彼等太古の蠻民が素朴なる思想と、不熟生硬なる技巧ながらも極めて大膽率直に表現せし点は決して吾々文化人の模倣を許さざる長所にして美術工芸の價値を認めざるを得ざるところである。

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