貴族美術(時代の大勢)
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貴族美術時代とは欽明天皇十三年より後鳥羽天皇の文治五年に至る約六百五十年間の王朝時代にして推古時代、天平時代、弘仁時代、藤原時代の四期を包括して居つてこの時代は我国の文化史に於いても宗教史に於いても美術史に於いても一大進歩を促した時代で土佐美術には行基と空海の功勞が最も大である。抑も佛教が印度のウジヤナ及びカジミラ王なるマヘラクラ王の北印度に大滅法を行い佛教地を拂ひ婆羅門教之に換るや佛教徒は逃れて支那に入り後漢の明帝の白馬寺となり六朝の佛教芸術を興したが我が国へは欽明天皇の十三年百済の聖明王が佛像を傳へ用明推古の兩朝を経て聖徳太子によりて佛教が勃興し、更に奈良朝時代に入りて造佛の大聖なる聖武帝により寺院の造営、佛像の建立殊に盛にして、奈良の諸大寺を首めとして諸國に國分寺を建て造佛の盛なること前古に比なかりしが土佐もその餘澤を受け聖武帝の勅願により行基の草創による寺院頗る多いがそれは後の寺院建築の條に詳述する。
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