豊楽寺薬師堂L
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霊場札所の美術
正面須彌壇内には薬師如来と阿弥陀如来。釈迦如来の國賓佛体を安置してあるがその背後は時代頗る舊くして我國に初めて佛教が渡來せし当時に行はれたる健駄羅美術の特色ホーニサツクル即ち荵冬唐草模様を施してある、それは阿弥陀と釈迦の後背は浮彫の上に彩色を加へ薬師如来の後背は平板なる面上に極彩色にて畫きたるものにして剥落し半は明瞭を缺いでをるが何れも同様のホーニサツクルである。須彌壇の前下方の高欄の下なる蹴込板の香狭間は鑿にて刳りて作りたるものにて貴重なる後世の参考品にて極彩色の繪畫又は模様を晝きたる如きも明瞭に判別し難い、この本堂を藤原時代に再建当時には未だ鉋の如き利器なき時代なりしを以て多くは鑿又ははつりを以て打ち割りて削り板は多くへぎ板として使用してある。
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