當代建築の特色

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第三章武家美術時代

第二節建築

そして寺院は山上でなく平坦の地に整然 ど配置せらるる樣になつた、而して其の手法は所謂宋風を模倣して華やかとなり從來の天臺眞言ニ 宗の建築形式を和樣と稱するに對し、新に輸入せし禪宗寺院のものを唐樣と呼ぶに到つた。而して兩者の折衷派の様式を觀心寺樣と稱した。 和樣といひ唐樣といふは全部ょり見て多少の相異はあつたが、殊に顯著なるは細部であつた。和樣 は第十九圖の如く柱の上に直に斗があるが唐樣では柱の上に臺輪があり、且柱の形も上部、脚部共に粽(ちまき)と稱して丸みを持つてゐた、粽とは 柱の端が細くなつてゐるのである、そして組物に 於ても肘木の形が圖の如く異つて居り、然も唐樣 形に於ては詰組とて軒下一ぱい組物を詰める事が始 つた、斗は和樣に於ては丈高く正方形に近いがこの時代のものは丈低く平たくなつてをり。其の他 尾垂木の如きも從前は垂直に切つたのであつたが唐樣にては第廿圖のAの如く傾斜した載.り方をする樣になつた。觀心寺樣とは前述の如く和樣と唐様の折衷樣式であつて肘木の如きも第廿圖Bの如く少しく垂直に下り而して圓形になつてをる。又ニつ斗といふ組方が使用せられた。尙以上三種の外に大佛樣一名天竺樣と云ふ式も行はれ斗組は益々發達して七手先が出來た、而して虹梁も益々發達して海老虹梁を生じ門の種類も多く楝門、藥醫門、四脚門、八脚門及樓門となり、唐破風の附きなる唐門を生じた、樓門の代表的のものは土佐神社の樓門及潮江天滿宮の樓門である室町時代となり普通の唐樣が流行して天臺眞言の寺院さへ多少唐樣化するに到つた、而して欄間、壁面などに彫刻などを用ゆる風を生じて桃山時代の裝飾的發達の萠芽を作つた、桃山時代は前代の驛宗的素朴な芸術の反動として極めて華美となり絵画、彫刻 建築の三者が相共に発達し相提携する様になつたのは當代の 建築にて見逃すべからざる現象である江戸時代は桃山時代 の衣鉢を継いだに過ぎないが前代の雄大さは消滅して徒に細部の技巧装飾に力を入れるに至つたことは惜しむべき事であるが只木割法が完成して一面容易に便利とはなつたが反つて之に束縛せられて凡てが千變ー律となつて、建築上變化ある 面白みを失ふに至つたのは惜しい事である。五臺山竹林寺文 珠堂の如きその適例である。

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