宇佐村青龍寺客殿
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第三章武家美術時代
第二節建築
宇佐町から橫波三里の入ロを渡舟にて對岸へ渡り五丁ばかりの峻坂を趣えて夏季蓮花滿開する七葉池の側を過ぎ行くと四國巡禮卅六番の札所なる靑龍寺に達する、その塔堂の位置は宇佐村の龍岬半島の翠巒嶮竣幽谷深阻せる仙寰にある、建物には本堂、大師堂、仁王門歓喜天堂、鐘楼、庫裏等が
相並んで建てられてあるが皆新しき建物であるから後章に述べるが、その客殿は當代の再建で嘉永四年國主山內氏の寄進建立にょつたものである、屋根は入母屋造瓦棟の巨大なる建物で桁行七間半梁間六間半で千鳥破風の上部には大なる懸魚がある。千鳥破風の部には大瓶束は見へない格子に組んだしとみ板で隱してある、屋根裏は化粧屋根裏で斗組等はない、建物全部が大く天井高く木割が巨大であるから棟飾の鬼瓦は半空に聳へて土佐七伽藍の一としての偉觀を具備してをる。
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