池川町池川神社拝殿

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第三章武家美術時代

第二節建築

二、神社建築

拜殿の現存せるものは文化十四丁丑年九月六日改築せしものにて大工は周防國の人なる吉門氏生運である、幣殿、本殿 と共に南面してゐる。然して大正十五年十月廿四日に舊拜殿を修繕したもので ある。现存の拜殿は瓦葺の入母屋造にて桁行六間半梁間四間ニ尺にて千鳥破風の部分に懸魚ありて その下方は蔀板を格子にてをさへてある。用材は櫸にて巨材を用いてあるから頗る莊重である、此の建築は禪宗寺院を折衷せる上に周防の國住の大工の手によつた爲め當國の神社の建築として頗る異彩ある樣式である、.即ち拜殿は四面に戶や其他の障壁なきこと土佐神社の如く何れの方向よりも昇降自由自在にして拜殿の中央に約ニ間四方の所に直徑一尺一寸角の大なる圓柱を四本たてその上部には各々四本の優秀なる波の模様ある虹梁にて円柱を連結してあつてその虹梁の各ヶ上の中央にはーづつ蛙股がある。左右は牡丹の蛙股にて正面には本の宇を模樣化して刻したる波蛙股にて後方には三柏葉の紋を刻したる蛙股がある。そしてその各々兩端の下方には渦線を刻せる肋鼻が施されてある。天井は格天井となつてゐて四本の大圓柱の柱頭の斗拱は唐草模樣の斗拱の復雜なるものにて上下ニ段に重ね通肘木を以て四本の大圓柱の上端天井裏を連結し繪様肘木によりて上方は天井緣に連結してゐる。而して拜殿の外方の周圍の建築につき述べると拜殿の三面には約ー間每に方柱を建ててあつて更にその外方には三面に緣を設け寶珠柱を建ててある、拜殿の南面の向拜は切妻造にて桁行ニ間一尺梁行四尺五寸にて正面見附に懸魚があり虹梁の面には菊唐草上部には龍の彫刻にて拳鼻は象となりそれを直角の方面に鳳凰頭部の丸彫を施し向拜柱頭の斗拱は出紐にて復雜となり繪樣肘木にて桁に連る肋鼻には渦卷に刳つた木鼻がある。

須崎町八幡宮

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