池川町池川神社本殿

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第三章武家美術時代

第二節建築

二、神社建築

本殿は拜殿の後方に鞘殿の中にある。本殿の現存せる建築は亨保十五庚戊歲五月吉祥日に大エの佐五右衛門と五郞兵衛の手にて改築せられ享保二十年卯三月廿ー日に舞殿が伊豫松山今町の栗原忠五郞によりて建築せられてあつたこどが楝札によりて知れる。この本殿は用材は杉にて材質が軟かい 、その表面は朱や綠靑を塗つてあつたのが剥落してゐる。野根は枌葺であるが鞘殿內にある爲め修 理せす葺皮をはいだ儘にしてある。切妻造の楝の中央南面に唐破風の向拜をつけてある。桁行一丈梁間九尺にて野根裏は地垂木の外方に飛檐垂木を出し繁垂木とし側面の切妻破風の上方に懸魚をつけその内下方に楝木を支ふる大瓶束ありて下端に結綿を刻してあつて虹梁の上にたててある、四面の柱頭の斗拱は出組にて繪樣肘木がある、斗拱の間には東西南の三面に欄間を入れ水に牡丹の浮彫を施し東西兩面には蛙股を用いてある。拜殿の三面には椽を設け欄干とざい束をたて兩側に脇障子を設けてあるが彫刻はない、南面の向拜の部分にて唐破風は桁行ー間六寸、梁間三尺にてその懸魚の内下方に棟木を支ふる大瓶束を桁の上にたてその左右には若葉の蛙股がある。向拜柱はニ本にてその柱頭の斗拱は復雜なる出組にて檜樣射木があつて虹梁の上方には正面中央に三柏葉の紋の透彫がありその左右には斗拱を戴ける蛙股が施され虹梁兩端の拳鼻は舌を出せる象にてそれに對して直角の方向に前方に頭部に角を有せる天の邪子のロを開きたる彫刻がある。向拜柱の側面は海老虹梁にて本殿に連結してある。

須崎町八幡宮

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