三和村琴平神社本殿

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第三章武家美術時代

第二節建築

二、神社建築

當社の本殿の構造は美良布神社の本殿と相並んで當國に卓越せるものにて用材は全部櫸である、寬政ニ庚戊歲六月の改築にして大工頭梁は後免の坂出伴左衛門で彫彫は島村三四郎と重九郎である、楝には菊と雲の鬼板の上に千木と勝男木が高く天空に聳え三入母屋造にて東と南北とに千鳥破風があつてその破風には懸魚と大瓶束とがある、大瓶束の左右には優秀なる波の笈形ありてその下方虹梁の下段には靑海波の板彫が施して中央に三柏葉の紋を取附けてある,屋根裏は地垂木の外方に飛檐垂木を用い繁垂木とし雲板には波の板彫にて柱頭の斗拱は復雑なる出組となし詰組にて尾垂木を用ゐてある、而してその斗間には刀痕深刻なる鳥獸や草花の彫刻を施してある。この社殿の彫刻の作者は名匠島村三四郎藩の抱大丁重九郞の作である。本殿の正面には扇が中央と左右とにあって側面の東側の脇障子は張良が靴を提ぐる狀を彫刻し西側には黄石公を彫んであるが刀法頗る見るべきものである、而して本殿の四面には緣を繞らし欄干を設け寶珠柱が立てられてあつて緣より下部にも彫鏤が施されて意匠の斬新を競つてゐる、即ち緣の下方に斗拱があつて復雑なる出組にて詰組となり礎石の上方には腰欄間を取附けてあるが靑海波の板彫となつてゐる、本殿の向拜の部分にも 又頗る卓越せる着想を加へ彫鏤の見るべきものが多い、向拜柱は四本の方柱であるが、その柱頭には各々三つ斗を用い繪樣肘木を受け三本の虹梁の上には全面に鳥獣草花の饒多にして傑出せる透彫がある、即ち中央正面の虹梁の上にはニ匹の獅子が左右より三柏葉の紋を相擁せる狀を彫刻しその 左右の虹梁の上には各々牡丹と獅子の彫刻を施してある、向拜柱と虹梁との內下方の助鼻は寫實的にして優秀なる波の彫刻を施してある、向拜柱と本殿とは海老虬梁にて連結し屋根下の手挾は松樹を丸彫としたものである、此の境内には建造物が多數あるが美術方向ょり特記すべきものは神庫と住吉神社を祭れる繪馬殿(通夜殿)である。

須崎町八幡宮

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