三和村琴平神社絵馬

トップページ高知県の観光高知県の美術第三章武家美術時代>三和村琴平神社絵馬

第三章武家美術時代

第二節建築

二、神社建築

この繪馬殿に於ても田舍芝居を題材とした繪馬が多數あつて純粹美術の立場より見れば批評の價値はない。花鳥其他多数の中にて傑出せるものを擧げると、天明八戊申歲拾月吉日と銘せる川中島合戰の圖は藤原美光の作にて古びてゐるが筆致の推賞すべきものである、川田小龍筆の義家と 宗任の衣川の棚合戰圖がある大作であるが人物の割合に對し馬の小なる憾みがあるが、色彩は頗る鮮麗である、洞雪の筆になるものは多数あるが向拜の入口の楣間に掲げられたる墨繪の龍の圖が最も傑出し次には上杉、武田兩雄の川中島合戦圖と平壤の戰との、ニ面が注目に價する頗る大作にて高さ六尺幅一丈餘もある、色彩頗る鮮である、只川中島の方は謙信の乘れる馬が小に過ぎ又信玄はが小であるのは遺慽である。洞玉の作なる普請の圖は筆致に幼稚なる點あるも佳作である。小籃の筆の名和長年が後醍賺天皇を船に迎ふる圖は巧妙なる構圖と彩色の濃厚にして華麗なる優秀の作である。繪馬は尚本殿、幣殿、拜殿の內に多敷揭げてある、本殿の內には山內龜勢寄進の挿繪の常盤御前と牛若九との圖がある、幣殿の狩野探圓筆の獅子の圖は佳作である、また吉胤筆の賴政の鶴を射る圖は頗る舊く金箔の輪廓のみにて筆意を見るのみであるが頗る優良の作である。月鏡筆の賴政鵺を射る圖もよい作である、東雲筆の神功皇后ご武內宿彌も無難の作で梅梁の勿來の關の圖も鑑賞に價せるものである。

須崎町八幡宮

トップページへ戻る  高知県の観光へ戻る 
高知県の美術へ戻る