幡多郡入野村加茂神社拝殿
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第三章武家美術時代
第二節建築
二、神社建築
現存の社殿は西面し山內豐資公時代の文政ニ已卯年八月十三日の改築である。拜殿は瓦葺にて南北に長き切妻造にて中央に西面せる千鳥破風の楝を附けて向拜とし桁行五間半梁間三間棟飾に鴟尾を用い千鳥破風には懸魚がある。向拜の柱頭には斗拱をー手先とし虹梁の中央の上方に蛙股を用いず斗拱を戴せてある、虹梁には兩端に雲の模樣を附け、木鼻も雲形に刳つてある、斗拱の上には繪樣肘木がある、拜殿三面の柱頭には大斗と肘木があるのみにて斗拱も蛙股もない、內面には天井はな
い陸梁の上には楝束の代りに蛙股四個を用いてあるこの建物は外觀が質素であつて木割が細い、幣殿は拜殿の後方に連續しそのブランが丁字形をなしてゐるその構造と手法は拜殿と同樣であつて瓦葺の切妻造にて桁行三間半梁間はニ間である。
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