野根村八幡宮
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第三章武家美術時代
第二節建築
二、神社建築
野根村の八幡宮は野根の町はづれの東方にありて境內は甲浦街道に沿ひ頗る廣濶にして數町の間に跨り松椎その他の老樹蓊蔚として繁茂し白日尙暗く前には太洋の波浪轟々として遠雷の如く松聲と相應じ神威の崇高なることを啓示してゐる。祭神は應神天皇にしてその創建の年代は不詳であるが
棟札の最古のものは惟宗兵庫亮長親敬白、長亨ニ戊申年六月吉日とある、然しそれは維新當時に燃 失したことが神社記に錄されてゐる、長亨年間は御土御門天皇の御代であるからその創建は餘程以
前にある、山內家の尊祟深く寬保ニ壬戊年四月藩主豐敷公參勤の節日和の祈願をした馬場の兩側には多數の石燈籠が並立してゐるがその中にて天保十ニ丑年八月と銘せる巨大なる石燈籠が左右にある、更に亨保五庚子八月吉辰日と刻せる花剛石の鳥居は頗る古色を帶びてゐる、社殿は何れも東面して海に向ひ現存の建築物は慶應元年六月の改築である。
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