高知城の概観

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第三章武家美術時代

第二節建築

二、城郭建築

高知城は大坂城の如く規模宏大なるにあらず、名古屋城の如き天下周知の各城にあらざれども高知 市の中央を占め四山環拱遠近翠を交へ江河連綿縱橫相映し筆山、鏡川、吸江、孕門、北山の諸勝を脚下に集めその天守閤は海抜約百五十尺、靑こ鯱、白堊雲表に聳え東西多聞樁、鐵門、廊下門、女墻 等の甍之に相次ぎて蒼天に連り朝暉、晚烟、氣象千萬、眺缓千變萬化して天然の美に人工の妙技を竭し更に之に歷史上の深遠なる意義を加へてゐる、宏莊淼嚴海南に冠絕せる雄渾壯麗なる藝術建築である、ニの丸、三の丸の殿宇は取毀たれてなきもその殿廡楣間は當國の名匠が畢生の妙技を競ひ たることか傳へられ更にその天守閤は土佐ニ十四萬石の人心を之に繫ぎ朝夕これを仰ぐもの歎賞せ ざるなく現今尙この鄕國を去つて異境にある者に雖も亦この天守閣を思はざるものはない。實に永 久に深刻悠遠なる印象を與ふるものはこの城廓である。さればこれよりこの城廓につきてそ•の沿革 と構造を順序を追つて詳述しよう。

城の起源

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