武市甚七作欄間

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第三章武家美術時代

第二節建築

二、城郭建築

更に上段の間の西方の次の間なる三の間の境の欄間も著者が同時に調查したがこれは濱潟に鴛鴦七羽を配置して何れも實物大にて欄間の長さ一丈五寸幅三尺一寸の巨大なるものにて用材は杉の征目を用ゐ南の間と北の間とのニ面にて一對となり等しく武市甚七の作にて その配置は澤潟の密生せる水邊に花が滿開にて目もさむる美觀をそへてゐる。其間に雌雄七羽鴛鴦が居つて或は波間に泳ぐもの或は蟲を追ふもの或は岩上に踞するもの等姿態種々にて莖や葉の彫り方は荒彫りにて誠に非凡なる作風を示し特に羽翼の刀法は荒彫りにて反つて水に濡れたる趣を遺慽 なく現はせしは實に感歎の外はない、周圍には黑漆塗のもつこうの輪廓を以て仕切りその外側には格子の透彫にて一ヶ釜每に柏の葉の側面形四個宛を施し絕妙を極めたるものである、この櫊間の銘は『は印、大書院御次の三の間境北の間、上の框、但し西より入れ勝手』と尙ろ印が發見されぬ。

城の起源

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