蓬莢方鏡

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第三章武家美術時代

第五節美術工芸

此の時代に於ける美術工藝品の今日に傳はれるものは、主として金属製の古鏡、刀剣、鐔、古鏡、鍔ロ、陶器、古代塗等である。これより古鏡を始め前述のものにつき逐次に基きてその特色と構造を述べて見やう。

一、古鏡

古鏡は鎌倉時代に入り藝術界にては武骨なる特性を表はしたる如きも鏡にありては寧優美、溫雅なる風尙を認むべき時期てあつた。而してその傾向は範を藤原時代に取つたもので別に甚だしい變化がない、卽ちその特色を次に擧ぐる。

更に高知市八百屋町土居秀雄氏所藏の鎌倉期の古鏡は蓬萊方鏡にて三寸六分四角にして素鈕、蒲鉾式中緣に白銅傅世古にて重量六十三匁八分、模樣極めて崭新にして空には雪飛散し松、岩、鶴の配置じ頗る意匠を凝せる跡を見る。同氏は多數の古鏡を有してゐる。  足利時代に入りては時代の新しきだけ多數の古鏡が現存してゐる。神社に保存せられつつあるものは高岡郡日下村小村天神社にニ面、土佐神社は十五面、高岡郡加茂神社に三面ある、更にこの時代に支那の湖州鏡が輸入せられ土佐神社にニ面あり土佐郡田井村和田次作氏が一面を藏し前記佐川町川田信敏氏高知市土居秀雄氏も足利期のものを多數所持してゐる。左に小村神社の銅鏡につきて述べ然る後に土佐神社の古鏡につきて記述し更に民間の古鏡を紹介しよう。

美術工芸

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