陸軍部隊揚陸演習
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現今の如く一時一分が戦況に至大の影響をもたらす時代に於ては、陸兵の輸送揚陸等の重要任務は昔の如く運送船に依る遅々たる行動は許されぬ場合が多くなつた。而して英國の如く廣汎な植民地を有する國に於ては殊更にさうである。故に近時かかる任務(居留民保護等)は輕快にして神速を誇る巡洋艦又は驅逐艦を利用して先づ急に應じ陸上部隊の輸送が敢行され、然る後重量軍需品を運送船に托すると云ふやり方が採用されてゐる。この寫眞は1934年度英國地中海艦隊の大演習に於て行はれた陸上部隊の揚陸演習で、この地點まで輸送して来た二等巡洋艦「アキレス」より揚陸部隊を移乗させ更に淺海面を陸岸に進まんとする一等驅逐艦「クレセント」である。「アキレス」は「レアンダー」と同型艦、この寫眞により甲板上の諸構造物が判然とする。カタパルト、魚雷發射管、探照燈、高角砲(煙突の外側)等に御注意、兩艦共上甲板(じょうかんぱん)に53糎4聯装の魚雷發射管がよく見えてゐる。尚洋上に於て艦船が燃料等の受渡しをするときはかくの如くして行ふ場合が多い。