櫻井特務曹長の歌

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帝國軍事研究會

櫻井特務曹長の歌

我れも諸君も日本の本の     人と有る身に忘るべき
惨懺悲愴極まれる        三角勇の三十士
敵は四面取り圍み        集寡の勢如何にせん
櫻井憐れ花散りて        江橋に渡す指揮の任
前後三度の突貫に       僅か残るは九名のみ
痛手を閲し悠々と        別れの煙草を薫らしつ
大和男子の肉體は       蕃徒の刃に汚さんや
歸報は田中頼むぞと      云ひ捨て共に刺し違う
重き使命に石松は       忍び難きを忍び草
葭葦繁き沼に伏し       暮るを待つは八時半
暗も陸路は行難に       里餘の水底くゞりぬけ
海山口に達せしは       古今稀なる續なり
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