軍神橘中佐

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帝國軍事研究會

安城の渡③

名刀關の兼光が  鍔を砕きて弾丸は
腕をけずり更に又  續いて打込む四つの玉
血煙さつと登れども 隊長更に驚かず

嚴然として立ち上り  尚我兵を励まして
雌雄を決する時なるぞ 此地を敵に奪はるな
疾く打ち拂へ此の敵を 天に轟く下知の聲

衆をたのめる敵兵が  雄たけび狂ふ我兵に
突き入り兼て色動く  浮足立ちし一刹那
爆然敵の砲弾は   砕ける頭上雷のごと

邊の兵にあびせつつ  丸はあられと迸れば
打ち倒されし隊長は  無禮な奴と力こめ
立たんとすれば口惜しや 腰は破片に砕かれぬ

隊長傷は淺からず  暫ここにと軍曹が
壕に遊びていたわるを 否見よ内田淺きずと
紐衣をぬげば紅の    血汐は流れて迸る
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