陸戦隊の太沽砲臺占領
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北清事変
太沽砲臺は日本陸戦隊によって陷落
太沽砲臺は壘高くして意の如く登攀するを得ず、此時列國兵は我軍の猛烈なる突貫に勵まされた壘下に突進し來つたのを、我兵は之を踏臺として難なく壘上に達し群がる敵兵を撃退し、我が白石大尉は第一に我が國旗を臺上高く掲げた。玆に於て列國兵は我軍に次いで砲臺内に進入した。而して我軍の増田上等兵は逸早くも此の砲臺によりて第二砲臺を砲撃し暫峙にして之を陷落せしめ、次で南北砲臺も亦我が陸戦隊の力によつて陷落し、斬くして太沽の砲撃戦は十七日午前七時を以て終局を告げた。仍て第一砲臺は日本兵之れを守備して感激の國旗を臺上高々と飜へしたのである。本圖は太沽砲臺占領當時の我陸戦隊の奮戦の情景を描けるものであつて、當時我が白石大尉(葭江)は先登第一に砲臺に攀ぢ登つたが折あしく國旗を持参せず、次いで登り來たれる英國兵が素早く英國旗を掲げんとするを見て憤然として之に體當りをなして顚倒せしめ我兵に向って「國旗はないか、國旗はないか」と連呼せるも國旗を所持するものなく、よつて白石大尉は小指を噛み切り手巾に血の日ノ丸を畫きて之を高く差し上げて占領を表示したのであつて本圖左方砲臺上に相争ってゐるのが其當時の情況である。此時より以後我軍も各兵に大小の國旗を携行せしめる様になつたのである。