日本海々戦(其の二)
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日露戦役
得たる戦果
その夜東郷司令長官は、大本営に對し戦況を左の如く打電した。
連合艦隊は
本日沖ノ島附近ニテ敵艦ヲ激撃シテ大二之ヲ破り、敵艦ヲ少クトモ四隻ヲ撃沈シ、其他ニモ多大ノ損害ヲ興ヘタリ、我ガ艦隊ニハ損害少シ、駆逐水雷艇ハ日没ヨリ襲撃ヲ決行セリ
この日の戦闘に於いて敵艦隊の中堅であつた新鋭の戦艦四隻は、相前後して沈没し、加ふるに司令長官ロヂエストウエンスキー中将は、重傷を負って再び起つことが出来ず、指揮権を司令官ネボガドフ少将に譲るに至った。敵艦隊は航路を晦さんとして雑然たる一圑となつて南西方に向進し、午後八時頃に至って四面暗黒となるに及び、ネボガドフは針路を北東に轉じ、ニコライ一世を先頭としてウラジオストツクに向け遁路索めた。