地中海に於ける我海軍の活躍
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(世界大戦)
我海軍活躍殊功を奏す
聯合國側の地中海に於る活動としては、佛、伊の兩國艦隊及び英國艦隊の一部が、敵國側艦隊をアドリアチツク海内に封鎖し、又、英佛兩國艦隊は土耳古艦隊をダーダネルス海峡内に封鎖したのであつたが、此間に於いて我帝國海軍が参加して潜水艇の監視、及び輸送保護等に任じ、大なる困難危険を冒して活躍し殊功を奏したのであつた。此際に於ける我海軍の奮戦激闘中に、壮烈なる名譽の戦死を遂げたる日本海軍勇士の英霊は、地中海中の希臘領たるクリート島の墳塋に永しへに眠りつつあるのである。地中海の一島マルタに奮戦せる日本海軍勇士の功績は斯くして永く世界大戦史の上に燦然として光彩を放って居る。今上陛下が東宮殿下の御當時、歐洲御歴遊の際、此の地中海の一島マルタ島に立寄らせ給ひて、畏くも親しく御展墓あらせられたと拜承する。本圖は地中海に於ける日本海軍の活躍状景を描けるものである。追記、世界大戦に於ける我海軍が地中海海戦當時即ち大正六年六月十三日海軍省より左の如く公表があつた。佐藤司令官麾下の駆逐隊は護送任務の歸途去る十一日午後地中海某地點に於いて潜水艇を攻撃せり、此戦闘中「榊」は敵の魚雷に依り相應の損害を受けしも幸に附近の港湾に曳航せらるを得たり、榊乗員多数の死傷者ある見込目下取調中、敵の損害は未だ不明なり以上は當時の(大正六年六月十五日)東京朝日新聞紙上に掲載する所である。