地中海に於ける我海軍の活躍
トップページ>高知県の観光>戦争と日本>日本海軍史>地中海に於ける我海軍の活躍
(世界大戦)
マルタ島とは
我が海軍が根據地としたるマルタ島とは、如何なる地であるかと云ふに、マルタ島は地中海中の一小島で英領シシリー島の南方八十哩の地點に所在し、面積九五方哩、人口一九三三一萬で、歐洲中人口最も稠密で、島中には強固な要塞がある。元来英国地中海艦隊の根據地であつて、軍艦商船の貯炭所である。同島の産物としては小麦、馬鈴薯、金銀絲細工の製作品等である。又宗教としては島内には羅馬舊教が行はれて居る。一八八七年以来自治政治となつた。同島の首府はパレツタである。
由来、地中海中のマルタ島は英国の領地に属し難攻不落の要害として誇りつつあるもので今次第二次世界大戦に際しても、多島海のドデカネース諸島のロード島、ローレ島には有力な海軍、空軍の根據地があつて、イギリスのキプロス島と相對峙し、且つ黒海から地中海への出口を扼してゐるのである。尚近來注目されてゐるのはシシリー島と佛領チユニスとの間にあるパンテラリア島を十分武装するならばイギリスの要害を誇りつつあるマルタ島の價値は喪はれて了ひ、地中海の東西航路を遮断することが出来るといふ重大な戦略的意義を生ずるのであると言はれて居る。