砲架の構造

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砲架は之に直接車輪を裝して運搬具を兼ねた裝輪砲架と、全然砲床の上に固定する樣式の固定砲架とに.區分される。一地に固定すると云ふても全く動かすことが出來ない意味ではなく、之を分解して他の運搬具を用ひて運び且つ、其砲床も組立式となってるものもある。又砲床にのせる代りに自動車若くは列車の上に載せてるものもある。尙高射砲のやうに車軸を有し車輪を裝して運動するが、射撃する時には車輪を脫して地上に固定し、全く固定砲架と同じやうに使用せられるものもある。裝輪砲架は通常搖架、小架,大架、照準機及び防楣、照準具等から成り立って居る。搖架は砲身の直接支材で、內部に駐退復坐機を收容し、その上面は砲身後復坐の準ひさなるもので、水平軸若くは垂直軸を以て小架の上に裝載されて居る。小架は砲身に射角と方向を附與するため搖架大架との中間に設けたものであつて、水平軸若くは垂直軸に依つて大架に連結せられ、上部に搖架を裝載して居る。從って搖架との連結が水平軸である場合は、大架との連結は垂直軸であり垂直軸であれば大架とは水平軸で連結される事になる。近世の火砲は方向の射擊限界を大にするため、前者の構造のものが多い。大架は架身、車軸、車輪より成って居る。架身は一本のものと(單ー煎材といふ)開脚式と称して二本の脚から成るものとある。開脚式のものは方向の射撃限界を大にし、且つ大射角を附與するのに便利であるから、気近時稍用せられる。然し一方に於て重量が大となる不利がある。架身の.頭部には車軸が固定せられて居り、その両端に車輪を装する。又架身の後端には射撃する時砲架の後退を駐止する爲の駐鋤といふも のを裝してる。車輪には運動の際坂道降下に當り、砲車の轉動を防止するため、又は射撃の際車輪を不動ならしむるための「ブレ—キ」を裝 置してある。この「ブレーキ」も近世のものは、自動車に用ひてるものと同じやうな鼓胴式(ド ラム)のものを用ひてゐる。

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