照準機と防楯
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照準機は砲身に射角'と方向を附與するための装置であつて、前述の搖架と小架及び小架と大架の間に装置せられて居る。單一箭材の砲架では多く搖架と小架の間に方向を附興する照準機を設け、小架と架身の間に射角を附與するための照準機を設ける。開脚式にあつては其反對である。榣架と小架の間に方向照準機を設けると、射撃時の安定其他の關係で限界は六七度多くも十度を越えることは困難であるが、開脚式として小架と架身の間に方向照準機を設ける時は、砲架の後方の支面が大となるから、五十度附近まで方向限界を與へる事が出来る。
方向照準機は齒圏|と永轉螺の噛合又は永轉螺桿と牝螺との噛合に依るものが多い。又方向照準機を架身と車軸の間に設け.たものがある。此の式の火砲では小架が無く、搖架が水平軸を以て直接架身の上に載せてある。此の樣式では架身はその後端を軸とし車軸上を左右して方向照準を行ふ機構であるから、方向の限界は餘り大とすることは出來ない。射角附與の照準機は、齒孤と齒輪の嚙合によるものと、複螺式のものとある。後者は大なる射角を與へるのに不便である。從て加農に類する火砲に多く用ひられる。然し近世に於ては加農で'も戰場を出来る限り遠距離まで射擊し得る特別な施設を行はないで平射の最大五射角である四十五度附近まで照準得ることを要求せられるものと、迅速に照準し得る利益とから、多く齒孤式を採用せらるる趨勢にある。防楯は所謂楯であつて小銃彈や榴霰弾の弾子又は榴彈の破片に對し砲手を掩護する目的をもつて砲架に裝著してある。可成輕量で然.かも大なる强度を要する故通常「ニッケル」「クロム」等を適度に配合して作られた特種の鋼板を使用し、其厚さは近距離からの小銃弾にも對抗し得
るため六耗乃至三耗のものが多い。