四二センチの加農②
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この種の大砲は一回に300瓩も火藥を使って、四萬二三千メートルも射撃することのできる巨砲であるが、このやうな火砲になると、發射の反動も大きく、砲身が後退するとき、1000瓲以上の力を砲架に及ぼすのである。故にこれ等の力を調節したり、後退した砲身を自動的に發射前の位置に押し進めたりする大きな駐退機や、複坐機を砲架に取付けてゐるのである。大砲に方向を與へたり射角をかけたりするには、方向照準機高低照準機といふ機械装置があつて、ハンドルを回すことによつて自由に操縦するのであるが、砲身だけでも100瓲以上もあり、砲架の重さまで加へると400瓲以上にも達するやうな火砲になると、到底人力だけでは操縦ができなくなる。そればかりでなく、弾丸も一瓲以上になつて、その取扱ひも困難となるので動力を利用することが必要となる。また海岸砲には人力で操縦する露天据付の砲もあれば、敵弾の被害を少くするため砲塔式の砲や隠顕式砲架を使って隠す如くしたものもある。