野戦重砲

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今まで述べた各種野戦砲は、野戦普通の目標に對しては威力が十分であるが、野戦においても偶々遭遇する事のある堅固に工事した陣地、喩へば「ぺトン」や鐡板等で構築した陣地に對しては、その威力が不十分であるから、運動性は野砲に劣るが、それでも野戦軍とは行動を共にする事ができる程度であつて、威力は野戦輕榴弾砲や野砲より一層強大である。しかも僅少の時間で射撃の準備を完了し得るといふやうな火砲が必要であるし、また野砲弾丸の及ばないやうな遠距離にある敵の砲兵を破壊したり、或は遠く戦線の後方を擾亂したりするために、適當な大威力の火砲も必要である。これ等の目的に應ずる任務を有する火砲が野戦重砲である。野戦重砲の主砲は通常口徑15センチ級の壯輪式榴弾砲であつて、これに口徑10-12センチ級の壯輪加農を併用する。

野戦重砲

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