防楯を打抜く徹甲彈
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なほ戦車の出現とその發達に伴ひ、平射砲は漸次對戦車砲としての任務を分擔するやうになり、従って戦車の防楯を打抜くためには、これに敵する弾丸として徹甲弾といふ肉が厚くて丈夫にできた弾丸を使用するやうになった。普通徹甲弾が防楯を撃抜き得るのは、弾丸地震の直徑の半分までは可能とされてゐる。即ち三七ミリの弾丸ならば一八ミリの厚さまでは撃抜ける筈である。これ以上の厚さの防楯に對しては弾丸が破壊してしまふやうなことが起るので苦心を要するところであるが、最近この種の弾丸は大變に進歩して三七ミリの弾丸でも、三〇ミリ或はそれ以上もある防楯を貫くやうになつたといはれてゐる。歩兵砲のこの二つの種類は大いに進歩して來たが、何れもその一つだけでは歩兵砲の任務を全うすることができない。そこで今少し便利に使へるやうにならぬものかといふところから、次のやうな平曲射兼用砲が考案されて來たもので、大別して二種類とされる。