機關銃
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西暦1860年頃、初めて霰發砲と稱するものが發明せられたが、この砲こそ實に今日の戦争に必要缺くべからざる機關銃の起原であつた。しかるに、この砲は數本の砲身を束ねた異様の砲で、現今見る如き一本の銃身で、小銃數十挺に匹敵する近代的機關銃は、1883年英國人ハイラム・マキシムに依って發明せられたのが初めである。その後各國は、競うてこの新兵器の研究制作に方り、軈ては戦場にその姿を現し始め、かの日露戦役には、旅順南山その他で、我が軍は露軍のマキシム機關銃で酷く悩まされたのである。次で世界大戦においては、機關銃は最早や完全に歩兵の主要兵器となり、戦前の各所にその猛威を逞しくしたのである。大戦後は、各國共機關銃數を激増し、歩兵大隊内に四銃乃至十六銃の重機關銃と、更に多數の輕機關銃を加へ、機關銃は、愈よ歩兵戰闘の花形兵器の役割を演ずるに至ったのである。