近時の装甲自動車の趨勢

高知県の観光戦争と日本軍艦集>近時の装甲自動車の趨勢

已に走行装置に於いては、概略を述べて置いたが、その他二、三重要な項目に就いて述べよう。

一、      装甲板 戦車に比し一般に薄く、概ね小銃彈に對して安全なるを目途とし、大抵六ミリ乃至八ミリが標準で、十ミリ以上のものは先づ無い。近時は銃弾にも銅心彈といふ甲板貫徹力の強いものが現はれてゐるが、甲板の製造技術も長足の進歩をし、この程度のもので間に合ふものが出来るやうになつた。

二、      武装 機関銃が主であるが、戦車攻撃等の目的には十三ミリ級の機関砲或いは三十七ミリ級の砲を装備する。これ等の武器は、同轉銃砲塔の中または車體の某部に装置する。そして弾薬は機関銃にためには、三千發から五千發位で砲弾は數百發を持つ。

三、      發動機 現時では水冷式揮発油機関が最も廣範囲に用ゐられてゐるが、近時長足の進歩をした高速度ディーゼル機関及び空冷式揮発油機関が用ゐられる傾向で、これ等は装甲自動車用として確かに将来あるものと信ずる。

四、      乗員 小型のものでは二名を最小限とするが、通常は四、五名である。それ以上のものは極めて稀である。 速度と行動半径 路上最大速度は五六十キロである。近時は装軌式に於いても履板(キャタピラー)の地金の研究の進歩、懸架砲の改良によつて、装輪式に匹敵するまでに快速となつてゐる。一日の運行可能距離は少なくとも百五十キロで、二百五十乃至三百五十キロに及ぶものも少くない。

近時の装甲自動車の趨勢

高知県の観光へ戻る  戦争と日本へ戻る 
昭和初期の兵器へ戻る