空襲と空中戦闘
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航空用兵器の威力
戦争が勃発するや真先に敵国に乗り込めるのは誰も考えつくやうに航空機である。そこで双方共に機先を制して敵國内に先づ第一の打撃を與へて、勝利の第一歩を占めると同時に、相手方の空襲を未然に防ぐため其原動力を敵國内に於いて破壊し、其企圖を挫折せしめるやうに努めなければならぬ。高射砲や防空隊で、敵の来たのを防ぐのは、末の末である。之が為に使用せる飛行機は超大型の爆撃機で、爆弾を満載し、昼夜を問はず連続飛行し得るだけの燃料を持ち、また所々で敵機の妨害を受くるも敢然之を排除して進み得るだけの防禦能力、即ち機関銃や機関砲を多数装備するいはゆる空中における戦艦式のものである。此の空中艦隊に襲はれたら其惨状は、蓋し想像に難くない。そこでこれが襲来を知ったならば、目的地に達しない前に撃墜する事に努めなければならない。之が為にはやはり飛行機を放って迎撃するのを最上とする。この任務にあたるのが即ち、防空用戦闘機と稱する小型で快速燕の如き飛行機で、其速度や上昇力を優れさせるために、餘計なものは極力持たないやうにした一人乗りで、単に機関銃のみを装備し、恰も機関銃が飛んでまはるといふやうなものを使用するのである。