恐るべき爆撃の威力
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航空用兵器の威力
以上のやうな空襲や空中戦は、戦争間に於いても屡々行はれるであらうが、其性質は地上軍に関係なく、空軍独自的の戦闘である。しかし地上又は海上軍に直接協同して、全般の戦勝を得る事に努力するのも、航空に對する頗る重要な役割である。地上軍との協力は偵察任務の他、やはり爆撃及び空中戦闘を伴ふ事になる。爆撃は原則として味方の砲兵の威力の及ばぬところをやるのであるが、又地上からと空中からの兩方の攻撃によつて、遂に敵の抵抗力を奪ふといふ事もある。そこで爆弾攻撃を行ふ目標は、戦場付近の種々雑多のものがあるので、従って使用する爆弾も各種のものを要する事になる。地上部隊を殺傷し、陣地を破壊し、鐡道線や鐡橋を壊し、又は敵の飛行場を襲撃したり、時には要塞軍艦を爆撃もするといふ風に、各々其場合場合に應じて適当な爆弾を選び、異なる爆撃法を行ふ。しかし多くの場合戦場付近では敵も飛行機を以つてこれを妨げようとするので、隊を成して各機の有する機関銃で、お互に防護しつつ行動をするのが普通である。爆撃の方法は普通目標直上を水平飛行するやうに進入して、目標の手前の或る點で爆弾を投下するのであるが、将来は目標の直上を飛行しなくても、爆弾を或る方向に速度を與へて、放り出す方法も必ず考案されて来ると思はれる。又現在でも高空から単機急転直下しつつ、爆弾をはなして爆撃する方法もある。これは軍艦の如きものに對して、適当であるとせられてゐるやり方で、なほ軍艦に對しては魚雷を放つ攻撃法もある。