電氣應用兵器の發達
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電氣的威力兵器
前古未曾有の欧州大戦が、吾人に與へたる教訓は甚だ多いが、其最大なるものの一つは将来戦の運命で、一國化学工芸力の輸贏に依って決せられると云ふことであらう。戦後各國は大戦間の尊い經驗を基とし、航空機の充實、化学兵器の發達を圖ると共に、益々銃砲威力の増大に専念するに至り、今や電気應用の知能兵器方面に新たなる境地を拓かんとする趨向を示してゐる。電気應用の兵器中にも電気通信、各種電気的警戒及び観測装置、防空用電気的聴測機及び照空燈照明用電燈及び諸動力機等一々枚挙に遑がない。而しながら、これ等は何れも戦闘の補助兵器で、戦闘の主目的たる殺傷、破壊の威力を持たない。将来戦に於いては必ず一歩進んだ電気的威力兵器が、新たに追加せられるであらう。既に此種兵器は、大戦の後半期に於いてそろそろ芽生えつつあつた。殺人光線、無線操縦装置、電気砲等は其著しいものである。これ等の多くは何れも考案の中途で休戦となつたため、實際戦場には出現しなかったが、其後各國共極秘裡に大に研究されてゐるやうである。以下殺人光線と無線操縦について記することとする。