光線作用の怪力線
高知県の観光>戦争と日本>軍艦集>電氣的威力兵器>光線作用の怪力線
電氣的威力兵器
光線は物を熱する性質がある。小さな「レンズ」で太陽の光を集めると紙を焼くことができる。大きな抛物鏡の焦点では木炭など爆発的に燃焼する。もし巨大なる光源を用ひ、目的物に光を集めたならば、相当の距離でも高熱を発し、火薬の爆発や火災を起こすことが出来よう。現在最大の探照燈は20億燭光程度であるが、之を數個使って共通の一物體に光を集めたならば、かなりの効果を収められる事であらう。人馬は高熱に對しては甚だ弱い。飛行機や自動車も「ガソリンタンク」に火がついたら終りである。即ち光線を以て怪力線兵器を實現することは可能であるとの結論に達するのである。只問題は設備の宏大なるに比し、有効距離の餘りに過少なる事である。つまり現在の吾人の知悉してゐる程度では、火器として能率が擧らないから、實用價値を彼是いはれるのである。強い光線は目を眩惑させる性質を持つてゐる。之は敵騎兵の襲撃に備ふるとか、塹壕戦や空中戦とかの場合に應用されさうである。