有線電信③
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有線電信電話
有線、無線、地中無線は共に電気応用の通信器である。一般に通信と称せられる各種の方法の中で、最も迅速で重要なものはこの電気的通信である。有線は中でも特に軍用通信として主要なものであるが、これには電信と電話がある。今甲通信所で電鍵を押すと、電流は点線のやうに流れ、乙通信所の電磁石は磁化されて相対する接極子を吸引し、次に甲通信所の電鍵を離すと、電池との連絡が斷れて電流が来なくなるから、乙通信所の電磁石は磁力を失って接極子は發條の弾發力で引き離される。即ち甲通信所の電鍵を作動することに依って、乙通信所の接極子は上つたり下つたりするから、甲通信所の電鍵がモールス符号通りに動けば乙通信所の接極子も、モールス符号通りに動くことになり、その運動をそのまま音や字で表はすことによって、通信することが出来るのである。
有線電信③
これには多数の通信器を逐次極めて迅速に同じ回路に送受同期的に接続するやうに装置したものや、一回線中に種々異なる周波数の高周波電流で働く数組の装置を設備し、これ等の高周波電流を相互には何ら妨害を及ぼさないやうにして、重疊させて多重通信を行ふもの等がある。前者には線路の建設が良好であることを要し、戦場での使用には困難な場合が多く、軍用では二重或は四重法を行ふに過ぎないが、後者の高周波式の方になると、不完全な線路でも可能で、軍用として将来に於ける發達を期待されてゐるものである。