有線電信④
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有線電信電話
有線、無線、地中無線は共に電気応用の通信器である。一般に通信と称せられる各種の方法の中で、最も迅速で重要なものはこの電気的通信である。有線は中でも特に軍用通信として主要なものであるが、これには電信と電話がある。今甲通信所で電鍵を押すと、電流は点線のやうに流れ、乙通信所の電磁石は磁化されて相対する接極子を吸引し、次に甲通信所の電鍵を離すと、電池との連絡が斷れて電流が来なくなるから、乙通信所の電磁石は磁力を失って接極子は發條の弾發力で引き離される。即ち甲通信所の電鍵を作動することに依って、乙通信所の接極子は上つたり下つたりするから、甲通信所の電鍵がモールス符号通りに動けば乙通信所の接極子も、モールス符号通りに動くことになり、その運動をそのまま音や字で表はすことによって、通信することが出来るのである。
有線電信④
また通信速度を増加する方法として、手で鑚孔紙と称する送信用紙に符号に応じた孔を穿けて、それを機械にかけて自動的に高速度で、送信する自動通信機等がある。設備の簡単なために軍用には受信機として送信されたモールス符号を音で聞く音響器が主として用ひられるが、別に現字受信法として、符号に依らないで直接にA・B・C等の文字を紙に表はす印字電信機は、通信文を書物で残すことについての長所がある。