無線電信

高知県の観光戦争と日本軍艦集無線電信電話>無線電信

無線電信電話

有線、無線、地中無線は共に電気応用の通信器である。一般に通信と称せられる各種の方法の中で、最も迅速で重要なものはこの電気的通信である。有線は中でも特に軍用通信として主要なものであるが、これには電信と電話がある。今甲通信所で電鍵を押すと、電流は点線のやうに流れ、乙通信所の電磁石は磁化されて相対する接極子を吸引し、次に甲通信所の電鍵を離すと、電池との連絡が斷れて電流が来なくなるから、乙通信所の電磁石は磁力を失って接極子は發條の弾發力で引き離される。即ち甲通信所の電鍵を作動することに依って、乙通信所の接極子は上つたり下つたりするから、甲通信所の電鍵がモールス符号通りに動けば乙通信所の接極子も、モールス符号通りに動くことになり、その運動をそのまま音や字で表はすことによって、通信することが出来るのである。

無線電信

戦場で後方から材料を運んで、通信線を張ることは大仕事であるが、若しもこの線が張らずに済むならばといふ夢は、實現されて今や無線の世の中になつてしまつた。しかしながら無線は定まった線に依らない代わりに、味方の通信所宛の通信が、敵にでも何処にでも到着するから、秘密保持が出来ない。従って通信文を暗號に組んで、敵には何んだかわからないやうにしなければならないが、現今に於ける諜報勤務の發達や情報機關の科学的な活動を思ふならば、この暗號の使用も絶対に安全であると安心することは出来ない。科学的な暗號の解読は、戦場で一般に用いられる程度の暗號ならば、一週間以内にその鍵を發見してしまふであらう。

無線電信

高知県の観光へ戻る  戦争と日本へ戻る 
昭和初期の兵器へ戻る