集中射撃と初速の増大

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威力増進の第三は集中射撃の適応である。近代の戦に於いては敵の攻撃し来る火力に対し、出来得るだけ戦闘員を掩蔽せしむることに勉るから、敵に充分なる制圧的損害をあたえんとするには、適当なる機会を見付け次第成しうる限り大多数の砲兵を協力せしめて、至短時間の疾風迅雷的射撃を以て、敵を急襲するを必要とする。これを集中射撃というのであるが、これがためには火砲の高低射界(砲身に符仰角をあたえる範囲のこと)及び方向射界(砲身に左右の角をあたえる範囲のこと)を十分大に付与し得る如き結構とすることが必要である。現時は高低射界は仰四十三度ないし七十三度から、府五度ないし十度に及び又方向射界は四十度ないし五十度に及ぶまでに進んで来た。但し飛行機を射撃する高射砲は特別であって、仰角は八十五度より百十五度に及び、方向射界は全周旋回を成し得る如くなっている。

集中射撃と初速の増大

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